ローカル企業に学べ!
火鍋チェーン「海底捞」3つの成功要因

「入乡随俗」。郷に入っては郷に従えという意味の中国の4文字熟語です。
やはり現地で成功する鍵は、地元企業の成功要因から学べることは多いのではないのでしょうか?
本日は中国人なら誰でも知っている火鍋チェーン「海底捞」を取り上げたいと思います。

火鍋って何?

内モンゴル発祥といわれている中国伝統の鍋料理で肉や魚介類、野菜をスープで煮て食べる。
一人当たりの平均客単価は約30~100元(500円~1,600円)くらい。
写真のような鴛鴦火鍋(ユエヤン)と呼ばれるピリ辛スープと白湯スープに分かれたものが一般的。

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中国外食企業トップ10社のうち4社を火鍋チェーンが占めるほど中国の外食文化に根付いている。
海底捞は日本にも進出している小肥羊などの大手チェーンよりも後発であったが毎年30%以上の成長率で急拡大している。

海底捞火锅の概要
社名:四川海底捞餐飲股份有限公司
設立:1994年
創業者:张勇(1971年生まれ)
店舗数:94店(すべて直営)
展開都市:25都市
社員数:約19,000名
売上:約512億円(2012年) 約370億円(2011年) ※未上場のため中国メディアの情報より推計

最近ではNHKの「アジア立志伝」などの日本のテレビ番組でも取り上げられているためご存知の方も多いと思いますが
とにかく彼らの集客力に驚かされます。どの店舗も300-500席ほどの大箱ですが写真のような行列は当たり前。

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なぜここまで地元民に愛されるのか?成功要因について掘り下げてみたい。

成功要因① サービスでの差別化

火鍋はスープに好みの食材を入れて楽しむシンプルは食べ方のため、味での差別化が難しい。
となればサービスの良し悪しがお客様のお店選びのポイントになると考え、彼らはサービスを徹底的に強化した。
ドリンクやお菓子の無料サービスはもちろん、日本では考えられないが、待ち時間に洗車や靴磨き、ネイルサービス等を無料で提供している。

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他にも、スマホを守る袋を提供してくれたりやトイレでスタッフが満面の笑顔でおしぼりを差し出してくれたりと
顧客目線に立った痒い所に手が届くサービスが店内に散りばめられている。

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成功要因② 手厚い福利厚生

一般的に、中国の飲食店で働くスタッフは出稼ぎ労働者が多く社会的地位も低い。社員寮があるケースが大半だが、
寝るだけのスペースに10名くらい詰め込まれ、空調設備やシャワーがないような劣悪な環境で暮らすことが多い。

オーナー自身、飲食業に従事するスタッフの社会的地位が低いことに問題意識を感じており、
彼らに対し会社として誠心誠意接し、服務員からでも自分のように成功できることを証明したかった。

そこで海底捞の寮はシャワー、ネット環境配備をし、洗濯のお手伝いさんまでおり、
同業他社に対しかなり快適で清潔な生活環境を提供している。

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また、驚くべきことに、四川省に寮制の学校まで自社で建設してしまい、従業員の子供を無料で受け入れている。
従業員満足度=顧客満足度などと言われるがそれをまさに体現している会社と言えるだろう。

成功要因③ 透明な評価制度

実は海底捞の幹部は皆、皿洗いからスタートした生え抜きのみで構成されている。
職位は9つのグレードに分かれており、すべてのグレードに対する基準や給与がオープンにされている。
田舎から出てきた出稼ぎ労働者も夢を描ける評価制度となっているのだ。

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一定のグレード以上になると「分紅」という利益配分(日本で言う利益連動型ボーナス)が毎月の給与に加算され、
店舗の純利益3~5%が従業員に還元される仕組みとなっている。

海底捞の人事担当者に聞いた話だが、月1回の頻度で昇格/降格査定があり、部下からの評価も評価基準に入っているそうだ。
当然、上司の評価基準に部下の教育も含まれている。

中国の飲食業界は離職率が25~30%と言われており、それもあってか部下を指導する習慣が薄い。
成功要因の②である福利厚生制度と③の透明性の高い評価制度により海底捞の離職率は10%台だそうだ。

まとめ

社会主義の名残で店員の態度が悪いといわれている中国でも、消費者がサービスで選ぶ時代が急速に到来している。
特に都市部では今回の海底捞のようなサービスをウリにした企業もどんどん出てきており、
日本流のきめ細やかなサービスが受け入れられる素地ができてきていると言えるのではないか。

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