注目度急上昇!
ハードウェア系スタートアップの聖地 深セン

IoT(Internet of Things)という言葉がバズワードになっています。様々なモノがインターネットに繋がり相互に制御するといったコンセプトですが、そういった中、最近はハードウェア系スタートアップに注目が集まっています。クラウドファンディングなどによる資金調達の多様化や、3Dプリンター等の普及でモノづくりのハードルが下がりアイデアさえあれば誰でもハードウェアを作れる時代になってきているためです。

アメリカのシリコンバレーでもハードウェア系のスタートアップに注目が集まるトレンドがありますが、その起業家達が今注目している町が中国の深センです。深センではハードウェア系のスタートアップが次々に生まれています。

実際にアメリカの大手クラウドファンディングサービスのKickstarterでテクノロジー系プロジェクトを見ても深センだけで2014年10月31日現在、9つのプロジェクトが資金調達に成功しています。(ちなみに中国全体では18件、日本は14件)

今回は日本ではあまり知られていない深センという都市と、そこでのスタートアップ事情についてご紹介します。

深セン概要

深セン

香港と国境を隔てた中国広東省に位置し、上海、北京、広州に次ぐ中国第4の経済都市です。人口約1100万人、2013年の一人当たりのGDPは22,198ドル、これは韓国の24,328ドルと台湾の20,930ドルの中間に位置する水準です。元々は人口3万人の小さな漁村でしたが、1980年に中国で初めての経済特区に指定され、急速に発展しました。そのため住民のほとんどが深セン以外の都市からチャンスを求めてやってきた人々で、平均年齢28歳の非常に若い都市です。

証券取引所もあり、スタンダード&プアーズが発表した「国際金融センター発展指数」に関する報告では世界15位の金融都市にも選ばれています。中国大陸には上海と深センの2つの証券取引所がありますが、深センには中小企業ボードがあり、ベンチャー企業の資金調達の環境も整っています。

交通

深センには中国最大規模の国際空港がありますが、日本との直行便は少なく、香港からのアクセスが便利です。香港からフェリーで行くこともできますが、香港との国境には4つのイミグレがあり、陸路でも入国出来ます。また市内は地下鉄が開通しており、移動に便利です。

■製造業の集積地

世界の工場と呼ばれる中国ですが、その中国でも深センは最大の製造業、特にエレクトロニクスメーカーの集積地です。世界最大のEMSメーカーであるFoxxconnを始めとして、Lenovo、Huawei、ZTEなど中国を代表するメーカーが生産拠点を構え、関連する部品メーカーを合わせるとの数万社のエレクトロニクスメーカーがあると言われています。

世界の工場

華強北(フアチャンベイ)

華強北

1日50万人が訪れる深セン最大の電気街です。日本でいう秋葉原のようなところですが、その規模は秋葉原とは比較になりません。数万の業者がところ狭しと電子部品を売っていて、ここで手に入らないパーツは無いと言われています。とても1日では回り切れません。

スタートアップ環境

アメリカの有名なハードウェア・スタートアップ専門アクセラレータ「HAXLR8R(ハクセラレータ)(http://www.haxlr8r.com/)」は深センに拠点を置いています。ここのプログラムに参加した起業家は深センに15週間滞在し、プロトタイプの改良、テストマーケティング、ビジネスモデルのテストを行います。
中国国内にも様々なアクセラレータが存在します。最も有名なSeeedStudio(http://www.seeedstudio.com/depot/)は2008年に設立され、Google、Microsoft、MITなどとコラボレーションを行っています。この会社の提供するFusion PCBというサービスでは試作用のプリント基板を安価に製造することができます。
このように試作、小ロットにも対応できる部品・EMSメーカーやアクセラレータが多数存在するのもスタートアップには恵まれた環境と言えます。

アメリカの一般消費者向け3DプリンターメーカーMakerBot創始者のザック・スミス氏は2012年から深センに移住し、「深センは自分のような機械おたくにとって天国に近い」とインタビューに答えています。ハードウェアスタートアップに関心のある方、製造業に関わる方、一度深センに足を運んでみてはいかがでしょうか。

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