ポスト三大都市。今、中国の地方都市がアツイ!
 -杭州編-

中国国内で発展している都市は上海などの大都市がどうしてもフォーカスされがちですが、近郊都市や地方都市も侮れません。
これまでは中国の三大都市と言えば「上海」「北京」「広州」の三都市。しかし、高い経済成長率を維持している地方都市もマーケットとしての魅力は日に日に増しています。今回は急速に発展する地方都市の中で、最近話題のアリババの本社があることで知られる「杭州」について取り上げたいと思います。

立地と都市の概要

杭州は中国八大古都の一つで、国家歴史文化名城に指定されています。中国の十大風景名勝の一つとされる「西湖」は2011年に世界文化景観遺産に登録され、四季折々の美しい姿を見せることから、国内外の多くの観光客で賑わっています。

西湖

浙江省の省都で、8つの区と3つの県、2つの県級市から成り立っています。上海から南西約160kmに位置し、最も速い新幹線を利用するとたったの約50分で到着します。

杭州地図

杭州人は消費好きで知られ、贅沢品の消費では上海、北京に次ぐ全国3位のマーケットです。

杭州

基本情報

基本データ

人口:約884.4万人 (2013年)
面積:約16,596平方㎞ (岩手県と同等)
域内GDP:約8343.5億元 (日本円で約142兆円)
一人当たりGDP:94,566元(日本円で約160万円)
※出典:百度百科

人口は大阪府とほぼ同水準。域内GDPは重慶、成都、武漢に次ぐ中国全土で10位です。華東地区では上海、蘇州に次ぐ3位に位置しています。
また、経済成長率は前年比8%増と全国平均7.7%を上回り、2014年も同水準の成長見込みです。
ASEAN主要国インドネシア、ベトナム、タイの成長率がそれぞれ5.78%、5.42%、2.87%なので、杭州の成長率の高さが伺えます。

インフラ

インフラ

新幹線の停車駅としては、杭州駅、杭州東駅、杭州南駅の3つがあります。
空港については杭州市東部に位置する杭州萧山国際空港があり、年間の旅客量は2,500万人を超え上海、北京、広州に次ぐ国内4位。
地下鉄は2012年11月に開通した1号線のみの開通(2014年9月時点)ですが、今後の計画では10号線までの開通が予定されています。
タクシーの初乗りは11元(約190円)と安く、地下鉄の本数がまだ少ないため市民の重要な交通手段の一つとなっています。

代表的な商圏

商圏

>武林商圏

武林商圏

杭州最大のショッピングエリア。地下鉄1号線の武林広場駅からのアクセスも抜群で大型商業施設が集積しているのが特徴。
地下鉄3号線の駅建設も予定されており、交通のハブになる可能性も高く、さらなる発展が期待されているエリアです。
後述する全国4位の売上を誇るショッピングモール「杭州大厦」もこのエリアに位置します。

>湖濱商圏

湖濱商圏

人気NO.1の観光スポット「西湖」の湖畔に位置する高級ショッピングエリア。エルメスなどの世界の高級ブランドが軒を連ねています。
観光、レジャー、レストラン、宿泊など複合的な機能をもつのエリアで、地元民だけでなく国内外の観光客が多く集まるのが特徴です。

>銭江新城商圏

銭江新城商圏

杭州市の南東部に位置する開発区。もともと後述する「万象城」しか特徴的な商業施設はありませんでしたが、「来福士(ラッフルズ)」などの大型商業施設が建設されており、今後の盛り上がりが注目されているエリアです。また2015年にオープン予定の「万象城」の2期のプロジェクトは「六本木ヒルズ」や上海の「環球金融中心」を手掛けた著名な建築設計事務所KPFが手掛けています。

代表的な百貨店・ショッピングモール

ショッピングモール

>杭州大厦(HANGZHOU TOWER)
杭州の中心的なショッピングエリア、武林商圏に位置。中国国内の百貨店年間売上ランキングで2011年まで全国1位でしたが2013年のランキングでは4位の60億元(約1,020億円)となっており、北京の新光天地(75億元(約1,300億円))などに抜かれました。
総面積は14万㎡で合計4棟に分かれており、女性向けブティック、アクセサリー・小物などのテーマ別に分かれています。

銀泰百貨

>銀泰百貨(INTIME)
浙江省最大の百貨店グループ。2007年に香港証券取引所への上場を果たし、銀泰百貨を全国に28店展開しています。
杭州市内だけでも8店舗展開しており、グループ店舗内で最大の年間売上高は「杭州武林店」の11.57億元(約200億円)です。

銀泰百貨

>杭州万象城(MIXC)

香港の地下鉄を建設したことで知られる「華潤集団」によるショッピングモールで2010年4月開業。総面積27万㎡。
現在建設中の2期は2015年オープン予定で5つ星ホテルの「パークハイアット」やオフィスビルを併設した複合施設となっており
総投資額は50億香港ドル(700億円)を超えると言われています。「万象城」は杭州以外では深圳、瀋陽、南寧に展開しています。

杭州万象城

まとめ

中国経済の成長率の鈍化が騒がれていますが、中国マーケットを見るのに国単位で語るのはかなり危険と言えるでしょう。
地域・都市によって状況が大きく異なるので、実際に進出を検討する際においても都市ごとに情報を追わないとビジネスチャンスを見誤ることも。
実際、杭州はここ数年約8%の成長率を維持しています。地方都市は上海や北京と比較して競争は激しくなく、賃料などのコストもまだまだ割安。
これまでは中国進出と言えば三大都市を狙うのが鉄則でしたが、ご覧のとおり杭州のような地方都市のマーケットの魅力は急速に増しています。
特に、小売りやサービス業は競争の激しい三大都市を避けて、まず地方都市から進出というケースも今後増えていくのではないでしょうか。

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