3分で分かる!アリババ最大のライバル、中国巨大IT企業「騰訊テンセント」

QQやWeChat(中国名:微信)などのサービス名は知っていてもテンセントの社名や事業内容を知らいない人は意外と多いのではないでしょうか?
中国の上場するIT企業の中でアリババに次ぐ時価総額、約15.3兆円(1,400億ドル)を誇る巨大企業です。日本の時価総額1位がトヨタ自動車で約21.5兆円。2位がソフトバンクで約8.9兆円(2014年10月3日時点)なので、テンセントはちょうどトヨタとソフトバンクの間の規模の会社となります。

企業概要

社名:深圳市騰訊計算機系統有限公司
本社所在地:中国シンセン
設立:1998年11月
売上:約1兆円
社員数:約2.5万人

主要サービスは?

QQ

1999年にサービスが開始された中国最大のユーザー数を誇るコミュニケーションサービス。登録ユーザー10億人、月間アクティブユーザー数は8億人を超えています。

ビジネスシーンでの利用でも広く普及しており、ECサイトのカスタマーサポート等にQQを使用するケースも多くあります。また、ネットカフェや学校などの公衆用のPCにもインストールされていることもよくあります。
ただ、QQはもともとPCユーザーが多く、スマホの普及に伴い決済機能などに優れたWeChatにユーザーが移行しているようです。

余談ですが、QQは2010年にセキュリティソフト360安全衛士を運営する奇虎と訴訟合戦という泥沼バトルを繰り広げました。
事の発端は奇虎がQQを対象としたセキュリティツール(QQが個人情報を流出させているとの見解による対応措置)をリリースしたことだったのですが、360を利用するPCではQQの使用を不可能にする措置をテンセントがとったため多くのユーザーがこの争いに巻き込まれました。
その後3年にわたり泥沼バトルを繰り広げた後、中国政府が介入して両社の公開謝罪&相互利用できるようにすることで話は丸く収まったのですが、イメージダウンは避けられず多くのユーザーがQQをアンインストールしたと言われています。

WeChat

中国版LINE。2011年1月にサービス開始後、ロイター通信によれば月間アクティブユーザー数は4.4億人を突破。基本的な仕様はLINEと同じで、メッセージやスタンプを送ったりすることが出来るほか写真や動画の送信、音声通話、ビデオ通話機能も備えています。

また、LINEには無い機能としてGPSを使って近くにいる人を検索する機能、銀行口座番号を登録すると使える決済機能などがあります。LINEと同じタイムライン機能もあり、LINEに比べるとWeChatでは多くの人が日常の出来事やニュースなどをタイムラインでシェアしています。

上記2大サービス以外にも、積極的な新規事業やM&A、出資により、ECや旅行、決済サービスなどの領域へ進出を加速しており、最大のライバルであるアリババと激しいバトルを繰り広げています。

最近では中国版食べログの「大衆点評」への出資(約400億円で株式の20%を取得)、BtoCのECサービス最大手Taobaoに次ぐ業界2位の京東商城への出資(約220億円で株式の15%を取得)が話題となりました。
どちらの出資も普段日本で見る資金調達のニュースと桁が違うことからも、テンセントの企業規模がみてとれます。

アリババを対立軸としたインフォグラフィックはこちら↓

http://www.techinasia.com/tencent-alibaba-complete-guide-increasingly-fierce-rivalry-infographic/

創業者ってどんな人?

馬化騰(英語名:Pony) 1971年生まれの42歳。中国のネット上では小馬兄と呼ばれ親しまれています

父は航空関連会社の社長という比較的裕福な家庭で生まれています。

1993年大学卒業後、ソフトウェア会社(潤訊)のエンジニアとして就職。
会社の業績は年々うなぎ昇りで、売上高は20億元(約330億円)、純利益30%の企業に成長。
当時、深セン市で最も待遇の良い会社といわれており、約2万人いるスタッフのランチは無料で提供されていました。

こういった成長企業での仕事を通して、スタッフを大事にする企業風土の中で起業家としての知見を広げていった馬化騰は、1998年に同級生と共同出資で深圳騰訊計算機系统有限公司を設立。

資本金は当時彼が保有していた会社の株が7倍(10万元→70万元)になり、それを元手に創業したと言われています。
2000年のITバブル時は、資金難に陥り、サービスを他社へ売却しようとしたこともありましたが、その後、1999年にリリースしていたQQが大ヒットし次々に関連サービスをリリースすることで急成長に成功しました。

そして、2004年6月16日、テンセントは香港で上場。

中国の調査機関である胡潤研究院が発表した2014年富豪ランキングでは5位となり、1085億元(約1兆9,500億円)の資産を保有していると言われています。

財務データ

近年の売上・利益は下記ととおり。(2013年テンセント年報より抜粋)

2013年の売上(収入)は約607億元(約1兆円)で、上の表からもわかるように、業績が急拡大しています(2012年→2013年で37%増)。

ロイター通信によると、スマホ向けゲームが好調で直近の四半期決算では過去最高益を発表しています。WeChatを通じて配信されるゲームの売上高が伸びたことで、ゲーム事業を統括する部門の売上高は前年同期比35%増となりました。

税引き後利益は2013年で約156億元(約2,600億円)、利益率25.8%となっており、彼らの潤沢な資金力もうなずけます。

売上の内訳は上記の通りで、ゲームなどの課金サービス(増値服務)が全体の7割を占めており、大半をゲームで稼いでいることが見て取れます。
そのほかは、網絡廣告(ネット広告)が9%、電子商務交易(eコマース)が20%。上述のeコマース大手の京東への資本参加により、今後ECでの売上比率が高まる可能性があります。

いずれにしてもWechatやQQのコミュニケーションサービスでユーザーを集め、ゲームで課金というLINEと同様の安定した収益構造をベースに関連領域へ大型投資を加速させているのが現状といえるでしょう。

まとめ

コミュニケーションサービスを軸にして、ゲーム、コンテンツ、eコマースなど送客先を加速度的に拡充するテンセント。
IPOを果たしたアリババと繰り広げる、各領域での戦いに今後も目が離せません。

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